かなり田舎の山中湖の、そのまた奥に移転しました手打そば「やまさと」ですが、いつもご来店ありがとうございます。
さて、今回は、十割の蕎麦が必要かどうかと言うテーマについて書きます。
私どもでは、
喉越しのよい「二八蕎麦」
甘皮の部分を多く含ませた、緑の星が飛ぶ「粗挽き田舎蕎麦」
これら2種類の蕎麦を製粉するまで産地の保冷倉庫でギリギリまで保存して最高の鮮度の材料で手打製麺しております。
そして、どちらの蕎麦にも小麦粉を混ぜて繋ぎとしております。
繋ぎを入れる理由は、契約栽培していただいているの深い「山の蕎麦」
店売りは会津雄国産蕎麦
業務用、小売用の冷凍処理された多度志産蕎麦
どちらも、繋ぎを入れても食味が確りしているので、味・香りにかんしてビクともしないからです。
むしろ、繋ぎを入れて喉越しを良くした方が美味しいと思います。

さて、繋ぎを入れないで十割で製麺しているお店で多々あります。
席数を少なくして、こまめに製麺を繰り返し打ち立てで麺が劣化しないように仕入れた蕎麦の食味を最大限に発揮させるお店があります。
このタイプのお店は、宣伝もほとんど行わず、一部の愛好家の会員制のような営業をしているお店が多いので探すのが大変です。
そこそこの席数を持ち、十割を売りにしているお店の場合、複数の蕎麦打ち職人を配置して年間を通じてかなり繁昌していないと成り立たないと言うことになります。
この条件に当てはまるお店は、かなり限られた条件のお店と言うことになりますので、もちろんかなりの有名老舗店です。
ただし、年間を通じて上質の国産蕎麦の数を仕入れるとなると、よほど力がなければ成り立たなくなります。
したがって、去年のような大凶作になりますと、どうしても外国産を使用するか国産に外国産をブレンドしなければならなくなります。
したがって、外国産は食味が弱くなりますので十割で製麺しても国産蕎麦100%で割粉を入れて製麺した蕎麦と比べると見劣りがしてしまいます。
最近、リーズナブルな価格で十割蕎麦を出しているお店があります。
もちろん、価格的には外国産を使用しなければ採算が成り立たないのですが、これらの十割蕎麦は特殊な製麺装置を使用しています。
この装置では、蕎麦粉に非常に多くの加水を施し、ユルユルの生地を作っておきます。
そして、下部にシャワーのような穴が空いたこの装置のシリンダーに生地を入れて注文が入った時点でコンプレッサーにより圧力をかけ、シャワー状の穴から生地を押し出します。
押し出された生地は直接蕎麦釜の中に落ちて一瞬で茹で上がり、十割の蕎麦が出来上がります。
手打製麺のように空気の層は入っていませんが、加水が多いために茹で時間が短くなり味や風味が逃げません。
もしも、この装置を使って店舗を企画するのであれば、外国産を使わず国産を使用すれば面白い店が出来ると思います。

現在の国産蕎麦の多くは休耕田で片手間に栽培されているのですが、昨年のような刈り取り時の台風被害や長雨による根腐れを起こしてすぐに凶作となってしまいます。
被害の少ない「山の斜面の蕎麦専用畑」の耕作面積をもっと増やさなければなりませんね。
世間に流通している小麦粉が六割強も入っている茹で時間の長いロール製麺した蕎麦を蕎麦と思っている蕎麦屋さんや、
手打するのはよいけれどメラニンの強い味でデリケートな蕎麦の味を壊してしまう鬼皮を被ったまま製粉するお店、これでは外国を使っても内地産を使っても同じじゃないですか!
丸抜きされた国産蕎麦を使用し、国産蕎麦本来の食味が生かされる手打製麺のお店がもっと認識されなければなりませんね。
弊社が打ち立ての蕎麦をすぐに冷凍して、業務販売や小売販売している理由がここにあります。
それにより、こだわりの国産蕎麦の需要が広がり本格的に蕎麦栽培に取り組む生産者さんが増えると嬉しいです。
食味の高い蕎麦が市場で出回ると十割の蕎麦は必要がなくなるかもしれませんね。
当店、週末は混雑する場合がございます。
特に、年末年始は混雑が予想されます、お席のご予約は出来かねますが、
ご来店20分前にお電話いただきますと
優先的にお席にご案内できる様に手配いたします。
また、移転先店舗はカーナビで検索できませんので、
0555-65-8251(ハラマチロッヂ)で検索してください。
その隣となります。
ご来店を心よりお待ち申し上げます。